背中が大きく開いたトップスやワンピース、水着などを自信を持って着たいのに、そんな時に限って背中ニキビができてしまって……。背中は自分では確認しづらい部位ながら、ニキビのポツポツとした手触りを感じると、ますます気になって触ってしまいがちになりますよね。
毎日お風呂でキレイに体を洗っているのに、どうして背中やデコルテなどの体にニキビができるのか、疑問に思う方は多くいらっしゃいます。
そこでここでは、背中ニキビをはじめとした体にできやすいニキビの原因とその対策についてご説明します!
ニキビとは
ニキビと言えば「顔」のイメージがありますが、実は背中もまたニキビ・吹き出物ができやすい部位です。
ニキビとは、毛穴の奥にある皮脂腺から分泌される皮脂が(いくつかの要因によって)古い角質細胞などと一緒に毛穴に詰まり、毛穴内でアクネ菌が(皮脂や汚れをエサに)増殖することで起こる炎症の一種。
そのため毛穴と皮脂腺が多いほどにニキビができやすく、背中は皮脂腺が(頭部、顔に次いで)多いために、ニキビができやすくなっているのです。
背中ニキビの原因
ではなぜ背中ニキビができてしまうのでしょうか。基本的には顔ニキビの原因と同じく、以下のような項目が考えらえます。
・皮脂、汗の詰まり
・シャンプー、石けんなどの洗い残し
・乾燥肌
・ホルモンバランスの乱れ
・生活習慣の乱れ
・栄養の偏り、栄養不足
・不眠、睡眠不足
・精神的ストレス
これらの推測される原因を見てみると、ほとんどの項目が密接につながり合い、負のスパイラルを作っていることが分かります。
たとえば生活習慣の乱れによってホルモンバランスが崩れて皮脂分泌が過剰になったり、寝つきが悪くなって睡眠不足になってしまったり、睡眠不足や栄養不足によって精神的ストレスがたまり、ホルモンバランスが乱れて皮膚のターンオーバーまでが乱れて皮脂詰まりや乾燥肌を招いてしまったり……。
そこでもしも背中ニキビができやすいのならば、まずは生活習慣から見直してみましょう。
【入浴時の注意点】
入浴時には、シャンプーや石けんなどを洗い残さないように、「上から下」(最初に洗髪をし、洗顔後、首から足元の順に体を洗う)に向かって洗い流すように気を付けてください。
ただし「背中ニキビは毛穴に皮脂や汚れが詰まるからできる」と思い、ゴシゴシと強く皮膚をこすって洗うのはNG。余計に皮膚に炎症が起こったり、肌が乾燥して過剰に皮脂が分泌されてしまったりと、悪循環が生まれてしまうからです。
体であっても柔らかなスポンジや綿のタオルなどを使って、泡で優しく洗うことを心掛け、肌を乾燥させないようにぬるま湯(40度以下)で十分に洗い流すようにしましょう!
カビが原因の場合がある!?
以上は顔にできるニキビと同じ仕組みによる、アクネ菌の増殖を伴う炎症性の背中ニキビの原因と対策です。このようなニキビのことを「尋常性ざ瘡」と呼びます。
ですが背中ニキビのなかには、尋常性ざ瘡とは異なる原因によって発生するモノがあります。それを「毛のう炎」もしくは「毛包炎」と呼びます。
厳密には「毛のう炎」は原因菌によってさらに細分化され、黄色ブドウ球菌などの細菌感染による炎症のほか、真菌(=カビ)による炎症のケースもあるのです!
そのため、通常のアクネ菌による背中ニキビと同じ対処方法では改善されず、誤った治療薬を塗り続けることで炎症が悪化する可能性も否めません。
【マラセチア毛包炎】
真菌によるニキビのような炎症の代表例が「マラセチア毛包炎」です。これはマラセチア菌という、毛穴に生息する、皮脂や湿気の多い環境を好む菌が原因となっています。
マラセチア菌は健康な皮膚の毛穴にも存在しているため、マラセチア菌自体が他人に感染する、などの問題はありません。
マラセチア毛包炎は、軽度の時点ではニキビのような赤いブツブツとなっていますが、悪化すると白い膿がたまり、通常のニキビよりも広範囲・多量に発生する特徴があります。
※主に背中、デコルテ、胸、二の腕にできます。
マラセチア菌はカビのため、治療薬としては「抗真菌剤」が用いられます。もしもニキビ治療薬では効果が出ず、また強い痛みや膿などの症状の悪化が見られる場合は、すみやかに皮膚科を受診することをおすすめします!
デコルテ、おしりにできるニキビの原因
背中ニキビのほかにも気になるのが、デコルテ・胸元やおしりにできるニキビ。これらは意外な原因で発生している可能性もあります。
【デコルテ・胸元の場合】
入浴時にマッサージをかねてゴシゴシとタオルで執拗に洗っている方がいますが、これはNG。胸元部分の皮膚は薄く繊細なため、強い刺激は与えずに、優しく余分な皮脂のみを洗い流してくださいね。
またアクセサリーやレースなどによる摩擦が、肌の炎症を招いているケースもあります! 胸元にニキビができやすい場合は、出来るだけ刺激を与えないように気をつけましょう。
【おしりの場合】
背中以上に蒸れやすいのがおしり。特に座っていることが多い方は、下半身の血流が悪くなっているために、肌のトラブルも起きやすい環境と言えます。
おしりニキビが気になる場合は、通気性が悪く締め付けの強い下着やパンツスタイルは避けるようにしましょう。
基本の生活習慣の見直しを!
背中ニキビは自分では見えにくい分、気になりだすと爪でひっかいたり強くこすったりしてしまいがち。ですがニキビは細菌もしくはカビによる毛穴の中で発生している炎症であるため、外部刺激を与えるとさらに悪化させるだけです!
まずは基本の生活習慣を見直した上で入浴時の注意点を守り、背中ニキビの改善・予防を目指しましょう。それでもできてしまった場合は、膿んでしまう前に皮膚科受診をおすすめします!