ジェルネイルに関する用語の中で、欠かせないモノのひとつが「サンディング」。ネイルサロンでの施術からセルフジェルネイルまで、サンディングは避けては通れないほどの基本的な工程です!
ですが、最近ではセルフジェルネイル初心者さんや愛好家の中には、「(サンディングをしない)ノンサンディング」と書かれたジェルネイル製品を選ばれる方が増えてきています。
というのもノンサンディングの場合、工程が1つ減るため、楽に思えたり、自爪への負担が少ないように感じられたりするため。
とはいえ、「ノンサンディングの製品はすべて爪に優しい」と安易に判断して良いのでしょうか? そこでここでは、サンディングのメリット・デメリット、またノンサンディングのメリット・デメリットについてご説明します!
サンディングのメリット
サンディングとは、ネイルファイル(爪やすり)を使って、自爪表面に細かな溝をつける作業を指します。
このサンディング作業は、ジェルネイルの最初のジェル「ベースジェル」を自爪に乗せる前に必要な、「下準備段階」で行います。なぜなら、サンディングによって得られる細かな溝の凹み部分にジェルが入り込むことで、自爪とジェルのあいだの密着感が増し、リフトしにくくなるからです。
以上から、サンディングのメリットは、「ジェルネイルの持ちが良くなる」と言えます。
サンディングのデメリット
では、サンディングのデメリットとは、どのような事でしょうか。
一般的に良く言われているのは、自爪表面を削ることになるため、「爪が薄くなる」という点です。1~2回程度のサンディングでは、薄くなる懸念はほぼありませんが、短いスパンで何度も繰り返しサンディングを行うと、やはり爪が薄くなるリスクはあります。
頻繁にジェルネイルを行っている方の中には、ネイル施術中に爪部分に刺激を感じる場合があります。その場合は、ジェルネイルは一旦お休みし、自爪をきちんと成長させてから再開するようにしましょう!
ノンサンディングのメリット・デメリット
では、ジェルネイル製品の中でいくつか見られる「ノンサンディング」「サンディング不要」のモノは、自爪が薄くならずにジェルネイルが楽しめるため、「爪に優しい」のでしょうか。
確かに「削る」という行為に注目すれば、ノンサンディングは自爪のダメージを避けられます。
ですが、本来サンディングの目的とメリットは、ジェルの密着度を高めて、ジェルネイルの持ちを良くすることです。
そのため、サンディングを行わずにジェルネイルの持ちを良くするためには、何らかの別の作用が行われていると、考えられます。
ではその「別の作用」とは何なのか――その答えは、「pH(ペーハー、もしくはピーエッチ)値」にあります。
爪に良いのは酸性?アルカリ性?
pH値とは、「酸性」「中性」「アルカリ性」を表す値のこと。0~14の値まであり、真ん中の「7」が中性となっています。
そして数字が小さくなるほど「酸性」、反対に数字が大きくなるほど「アルカリ性」と判断できます。
・3.0未満:酸性
・3.0以上6.0未満:弱酸性
・6.0以上8.0以下:中性
・8.0以上11.0以下:弱アルカリ性
・11.0以上:アルカリ性
たとえば、レモンや食酢は「pH2~3」、コーヒーは「pH5」、純水や牛乳は「pH7」、重曹は「pH8」、アルカリイオン水は「pH9~10」、石けん水「pH10」、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)は「pH14」、です。
爪の主成分は「ケラチン」というたんぱく質の一種であり、「アルカリ性」にも「強すぎる酸性」にも弱い(=たんぱく質が破壊される)、という性質があります。
ではケラチンにとってベストな状態はというと、「弱酸性」なのです!
実は、ノンサンディングで密着度を高めているジェルネイルの中には、ジェル自体に「強酸性」の性質を持たせている製品があります。
強酸性のジェルは、塗布した時点で自爪にダメージを与え、そのことでサンディングのように細かな溝を作っている可能性があるのです!
そのため、一見したイメージのみでは、「ノンサンディングのジェルは爪に優しい」とは単純に判断できません。
そこで、「自爪への優しさ」を考えてジェルネイル製品を選ぶ時に重要なのが、「弱酸性」かどうかなのです!
自爪への優しさを重視しましょう!
「サンディングをする」または「ノンサンディングで強酸性のジェルを使用する」、どちらの選択肢もある程度、自爪に負担をかけてしまうことは否めません。
そのため、もしも現在ジェルネイル製品をお使いの場合は、その製品が「弱酸性」であるかどうかをチェックしてみてください。また、これから新しく購入を検討されている場合も、見た目の華やかさや(キット・セットの場合)付属品の多さなどで判断する前に、「弱酸性」かどうか、きちんと確認しましょう!
長くジェルネイルを楽しむために、自爪への優しさを重視して、ご自分に合ったジェルネイル製品を使用してくださいね。