本当はジェルネイルやマニキュアを楽しみたいのに、自爪が薄くてすぐに割れたり欠けたり、ひどい場合はしみて痛みを感じたり……。そんな自爪の薄さで悩んでいる方は、適切な自爪ケアができていないのかもしれません!
そこでここでは、薄くすぐに割れてしまう自爪トラブルに悩む方にぜひ知ってもらいたい、元気な爪の育て方についてご紹介します。
爪が作られる場所って?
最初に、意外と知られていない爪の構造から簡単にご説明します。
そもそも爪は、どこで作られているのか意識したことはありますか?
新しい爪は、爪の根元部分にある甘皮の下「爪母基」(そうぼき、別名「マトリックス」)で日々細胞分裂して作られ、爪は上へ上へと伸びていくのです。
そのためもしもこの爪母基部分を強くぶつけたり、保護の役割をしている甘皮を必要以上に取り除いてしまったりすると、新しく作られる爪に異常が起きてしまうことがあります。
また、見えている部分の爪がすべて新しくなるには、およそ4~6か月かかると言われています。爪の一部に問題がある場合は、このぐらいの期間でカットできるようになるため、新しく作られる爪は健康に育つように適切なケアを心掛ける必要がありますね。
爪は3層構造
長く伸ばすと爪先がうすくめくれる、という方も多いのでは? これは爪が「3層構造」で作られているためです。
爪は表面から下に向かって「トッププレート(背爪)」「ミドルプレート(中爪)」「アンダープレート(腹爪)」の3層が重なり、1枚の爪を構成しています。
・トッププレート・・・油分が多く、縦方向にケラチン(タンパク質の1種)が連なっている。
・ミドルプレート・・・水分が多く、横方向にケラチンが連なっている。
・アンダープレート・・・油分が多く、縦方向にケラチンが連なっている。
爪は爪下の皮膚部分「爪床」から水分を補給しています。しかし顔や体のスキンケアと同じく、爪部分も保湿ケアを怠っていればすぐに乾燥し、健康的な爪を維持できなくなってしまうのです。
乾燥によってトッププレート、ひどい場合にはミドルプレートまで薄くはがれてしまうと、2枚爪や3枚爪になってしまいます。
そこで重要なのが、ネイルクリームやネイルオイル(キューティクルオイル)です。
爪先は日常生活において頻繁に使用するパーツであり、水仕事などで乾燥が促進される機会は多くあります。
見逃しがちですが、外出先によくあるハンドドライヤー(エアータオル)で手や爪が乾燥してしまっている方も少なくありません!
水仕事などの時は必ずゴム手袋をしましょう。また手洗い時もお湯で必要な皮脂や油分まで流れ落ちやすいため、毎日水仕事や手を洗った後、ハンドドライ後などは、こまめにネイルまで保湿対策を行って、みずみずしい健康的な自爪が生えるようにしましょう。
爪切りはファイルに切り替え!
きちんと爪の乾燥対策をしているはずなのに、自爪が薄い、もしくは傷んでいると感じる時は、どんな時でしょうか?
たとえばジェルネイルやネイルチップを無理やりはがすと、一番上のトッププレートやミドルプレートまで一緒にはがれてしまうことがあります。
また爪切りで爪を切ると、その「バチン!」という衝撃によって爪に負担がかかり、2枚爪や3枚爪の原因となってしまうことも!
そのため基本的に爪はファイル(爪やすり)でゆっくりと長さや形を整えましょう。
もしもどうしても爪切りを使用する場合は、一度に広範囲を切るのではなく、細かく少しずつカーブを描くように切っていってください。
自爪によい栄養素って?
もしもどれだけ保湿ケアをし、爪切り時にも気をつけていても自爪が薄かったり、すぐに割れたり、凸凹していたりとトラブルがあるのなら、体の中から改善すべきかもしれません。
つまり、栄養が足りていないために、爪が弱ってきている可能性があります。
そこでここからは、爪を健康的に育てるために必要な栄養素を挙げていきます。
自爪によい栄養素:タンパク質(アミノ酸)
皮膚や髪の毛と同じく、爪は主に、「ケラチン」と呼ばれるタンパク質の一種で構成されています。このケラチンによって、爪や髪にはしなやかさと弾力、強さが作られているのです。
そのためケラチンの材料となる良質のタンパク質を、食事などから摂取することが爪の健康には必須です。ちなみにタンパク質はアミノ酸が複数連なって構成された物質です。そのためアミノ酸もまた、健康的な爪づくりには欠かせない栄養素なのです。
【タンパク質・アミノ酸を摂取できる食材例】
・動物性タンパク質・・・肉類(特に鶏肉、脂肪分の少ない赤身)、魚類
・植物性タンパク質・・・大豆、大豆製品、乳製品
自爪によい栄養素:ビタミンA
ビタミンAとは、皮膚や粘膜などの健康維持に欠かせない栄養素。上皮細胞(体表面や臓器の粘膜などを構成する細胞の総称)でケラチンを作る働きもあるため、ビタミンAが不足すると爪が割れやすくなり、異常をきたします。
【ビタミンAを摂取できる食材例】
・鶏レバー、豚レバー
・緑黄色野菜
自爪によい栄養素:ビタミンB2
ビタミンAと同じく、皮膚や粘膜などの健康維持に欠かせない栄養素。不足すると爪がもろく割れやすくなってしまいます。
【ビタミンB2を摂取できる食材例】
・豚レバー、牛レバー、鶏レバー
・ウナギ
・卵
・大豆、大豆製品、乳製品
自爪によい栄養素:ビタミンE
ビタミンEとは油溶性のビタミン。細胞膜に存在するビタミンEが不足すると、血中の赤血球(酸素を運ぶ役割)の細胞膜が壊れてしまうため、体中の細胞が酸素不足になってしまいます。
すると爪も乾燥などの症状が現れ、2枚爪などは起こりやすくなります。
【ビタミンEを摂取できる食材例】
・植物油(サンフラワー油、コーン油など)
・たらこ
・アーモンド
・カボチャ
自爪によい栄養素:鉄分
ビタミンEと合わせて、貧血症状による爪のトラブルを防ぐために必要な栄養素。鉄分は赤血球を作る元となるため、不足することで酸素不足となり、爪が変形するなどの症状が現れます。
【鉄分を摂取できる食材例】
・レバー
・ひじき
・大豆製品
・小松菜
爪は健康のバロメーター
爪が薄い、割れやすい、すぐに2枚爪になる――このような自爪に起こるトラブルは、多くは乾燥によるものです。
ですが中には栄養不足、もしくはストレスによる不調ということも考えられます。まずはキューティクルオイルやハンドクリームを駆使し、爪切りは使わずに爪を保護することを基本対策とし、それでも不安な場合は栄養摂取を心掛けて、健康的な爪づくりを目指しましょう!