マリオネットラインとは口元から真下に伸びるシワのこと。操り人形(マリオネット)の口まわりの線に似ていることから、「マリオネットライン」と呼ばれるようになりました。
年齢を重ねるごとに線がはっきり出るようになってくるマリオネットラインですが、単に加齢だけでなく、その見た目から不機嫌であるかのような印象をあたえてしまいがちです。
そこでここでは、マリオネットラインの対策方法について説明します。
なぜマリオネットラインはできるのか
【骨格の衰え、筋肉の衰え、皮膚のたるみ】
マリオネットラインの形成は、顔全体のパーツが徐々に緩んでいくことで発生します。
まず、顔面の骨が縮み、顎から首にかけて、骨に張り付いている広頚筋(こうけいきん)が緩み、加えて口のまわりに脂肪がつくと靱帯(じんたい)が緩みます。
そのほかにも上唇挙筋肉や大小頬筋が緩むため、結果的にその上を覆っている皮膚も緩みます。
【口角下制筋の硬化】
口角下制筋とは、口角からアゴにかけてのびる筋肉で、口角を引き上げる役割をしています。
人との会話の時間が少なくなったり、表情筋をあまり使わなくなったりすると、口角下制筋が硬くなり、口角を上げるのが難しくなります。その結果、マリオネットラインができやすくなります。
【光老化】
筋肉のゆるみとは別に、長年紫外線に晒されてきた肌はコラーゲンやエラスチンなどが失われ、肌のハリと弾力を奪います。これが「光老化」と呼ばれるものです。
マリオネットラインのケア方法
【スキンケア】
マリオネットラインの根本的な原因は複合的なため、残念ながらスキンケアだけでは解決できない問題です。しかし、目立たなくさせる効果は期待できます!
スキンケアでは保湿を徹底し、プラスで紫外線対策を行いましょう。
化粧品については、ビタミンAの一種で肌のターンオーバーを促進するレチノールや、線維芽細胞を活性化させ、肌のハリや弾力性アップが期待できるヒト幹細胞培養上清液がはいったものを選ぶのが良いでしょう。
【リンパマッサージ】
両手を頬に当てます。この時人差し指と中指で耳を挟むところまで手を上げます。
この状態で、両手の平をゆっくりと後ろから前に向かって回します。力をこめる必要はありません、ゆっくりと20回程度おこなってください。
フェイスラインのリンパを流すことで老廃物や余分な水分も流れてすっきりとした顔になり、マリオネットラインの防止につながります。
【エクササイズ】
1.頬ふくらましエクササイズ
片方の頬を力いっぱい膨らませ、それを左右交互に30秒ほど繰り返します。口から空気が漏れないように注意しましょう。
2.アヒル口エクササイズ
アヒルのように頬をぐっと狭めて、唇を強く絞りあげます。その姿勢のまま、ヒヨコが鳴くようにピヨピヨと唇を動かします。20秒くらいを目安に挑戦しましょう。
3.「あ・い・う・え・お」エクササイズ
大きく口を開いて「あ・い・う・え・お」と声を出します。このとき、目を見開き、口角を上げることを意識してください。10回を目指します。
【ツボ】
2つのツボがマリオネットラインに効果的と言われています。1つ目は「地倉(ちそう)」で、口角のすぐ外側にあります。
2つ目は「夾承漿(きょうしょうしょう)」で、下唇の下の凹み部分の中心から1.5cmくらい外側にあるツボです。これらを1回5秒程度、「痛気持ちいい」強さで押します。全部で4~5回繰り返してください。
生活習慣の見直し
・姿勢
近年最も問題になっているのがスマートフォンの見過ぎによる姿勢の悪化です。
顔をやや下に向けたまま、長時間動かさないため、頬の皮膚が下に垂れ下がります。皮膚は重力の影響を受けやすいので、スマートフォンを見る時間、見る時の姿勢を見直してみましょう。
・食事のバランス
皮膚のみならず、筋肉や骨格の老化を防ぐには、すべての栄養素をバランスよく摂取する必要があります。
激しいダイエットや特定の栄養素だけを摂取する食生活は、急激な体重の増減を引き起こし、皮膚のたるみにつながります。
・たばこ
喫煙は単に肺を傷めるだけでなく、喫煙することによって、活性酸素が増加し、肌荒れやシミ、シワの原因になります。
活性酸素は肌にとって重要なビタミンCを消費してしまうので、肌の老化を促進してしまいます。
生活習慣を見直してマリオネットラインをケア!
マリオネットラインは、気になるエイジングサインですが、毎日の習慣である程度対策は可能です。
ご自分にあった改善方法を見つけて、若々しく健やかな肌をキープしましょう。