「手荒れが全然治らなくてかゆみがツライ」「指などに小さな水疱ができてかゆい」「ダメだと分かっていても、ついついかきむしってしまう……」など、手荒れによるかゆみにお悩みの方は多いですよね。
家事や仕事の関係で水仕事が多い場合から、水仕事に関係なく手荒れになってしまう場合まで、皮膚疾患には様々な種類があります。
そこでここでは、手荒れの主な原因と対処方法をご紹介します。
手荒れの原因
手荒れの症状として多いのが、かゆみを伴う赤みやぶつぶつとした湿疹。さらにひどくなると、水疱(水ぶくれ)ができたり、荒れた部分がジュクジュクとしたり。また、切れたようにパックリと皮膚が割れてしまうこともあります。
このような手荒れの原因は、主に「外因性」「内因性」に分けることができます。「外因性」とは、(身体の外からの)外的要因によって引き起こされることを指し、「内因性」とは、(身体の中からの)内的要因によって引き起こされることを指します。
なお、内因性のアトピー性皮膚炎の方が外因的要因によって手荒れになる、ということもあるように、両者が作用しあって炎症を引き起こることもあります。
■手荒れになりやすい外的要因例;洗剤やシャンプー、消毒剤などの化学物質、手肌の乾燥、ホコリ、ウイルス、金属、植物、など
■手荒れになりやすい内的要因例:アトピー性皮膚炎、乾燥肌、特定の成分に対するアレルギー、など
※内臓疾患によるかゆみや肌の炎症もありますが、ここでは除外します。
かゆみはなぜ起こるの?
では、なぜ手肌をはじめとする肌は、荒れるとかゆくなるのでしょうか。
実はまだ明確に「かゆみ」のメカニズムは分かっていないと言われています。ですが、主な要因として「ヒスタミン」という物質がかゆみを引き起こしていると言われています。
ヒスタミンは、皮膚にある肥満細胞という細胞から、何らかの刺激によって分泌されます。分泌されたヒスタミンは知覚神経に働き、知覚神経を通して「かゆみ」を脳に伝えます。
さらに、かゆみの刺激は知覚神経の末端にまで届き、そこから神経伝達物質「神経ペプチド」が放出されます。神経ペプチドは、ヒスタミンをさらに分泌させることで、かゆみを増幅させるのです。
かゆいからと言ってかきむしってしまうと、その刺激によってますますヒスタミンの分泌を促してしまうため、「かきむしらない」ことがかゆみの悪循環を止めるには重要なのです。
かゆみを抑えるには
では、手荒れ対策にはどのような方法があるのでしょうか。
すでに手荒れになってしまっている場合、まずかゆみを鎮めるために、かゆい部分を冷やしましょう。冷やすことで知覚神経の過剰反応を抑えることができるためです。
ですが、炎症自体が治る訳ではないため、皮膚科への早目の受診をおすすめします。
手荒れの予防対策
手荒れになる前に行っておきたい、予防対策を見ていきましょう。
【水仕事などではゴム手袋をつける】
手肌に化学物質がついたり、水・お湯などによって肌が乾燥したりしないように、水仕事やお掃除時、シャンプー時などは、必ずゴム手袋をしましょう。
なお、ゴム手袋が肌に合わない場合は、綿手袋を先に着けてからゴム手袋をすることをおすすめします。
【保湿を徹底的にする】
手洗いや消毒をする回数が増えている昨今、手肌が以前よりも乾燥しやすくなっています。
そのため、これまで以上に手肌の保湿ケアを重視し、少なくとも手洗い後は必ず保湿剤を塗るようにしましょう。
この時、保湿剤の成分自体に刺激があると本末転倒のため、ご自分の肌に合った保湿重視のアイテムを選ぶようにしてください。
手荒れは我慢せずに治療しましょう!
手荒れは一度なってしまうと自然には治りにくいため、予防対策が重要です。また、手荒れが辛くて眠れない場合、それがストレスになって更なる肌の炎症を招くこともあります。
そのため、手荒れがひどい場合は我慢せず、専門医による治療を受けるようにしましょう。