女性に多い、日常的な体の悩みの筆頭としてよく挙がるのが、「夕方になると脚がだるい」「むくんで脚全体がパンパン」といった脚のトラブル。
実はこのような脚のトラブルは、やはり多くの女性が抱えている「下半身の冷え」や「腰痛」「生理痛・生理不順」「自律神経の乱れによる全身倦怠やアレルギー症状」、さらには意外にも「鬱症状」など、長期にわたる心身の体調不良とも密接に関わっています。
そのためここ数年、注目されているのが「ふくらはぎ」。ふくらはぎの状態が良くない場合、単なる脚のむくみだけではなく、全身の不調までも引き起こしている可能性が!
身体的・精神的な健康状態を上向きにするためには、ふくらはぎを適度にマッサージして「ほぐす」ことが重要なのです。
そこでここでは、ふくらはぎが持つ意外な働きをご説明し、おすすめのふくらはぎマッサージ方法をご紹介します!
ふくらはぎは第2の心臓!?
なぜふくらはぎをマッサージすることが、脚のみならず体全体の健康状態にとって重要なのでしょうか。
その答えのカギは、「血流」と「リンパの流れ」にあります。血管やリンパ管を覆っている筋肉が凝り固まった状態では、血流やリンパの流れが滞ってしまうのです。
すると、通常は血流やリンパの流れとともに排出されるはずの細胞内の老廃物がうまく運び出されず、また同時に、各細胞にとって必要な酸素や栄養素は運ばれにくくなるために、様々な体調不良となって弊害が現れてしまいます。
このような理由から、筋肉を(適度な弾力を残しつつ)柔らかくほぐすことが、結果的に血行促進やリンパの流れ向上につながり、引いては健康的な体作りへとつながるのです。
そこで注目したいのが、下半身の血流の多さ。なんと下半身には、全身の血液のおよそ70%が集まっています。
そのため、「第2の心臓」とも呼ばれる、下半身の血流を心臓に戻すポンプのような役割を果たす「ふくらはぎ」の筋肉をベストな状態にすることが、健康維持のために欠かせないのです!
まずは事前ストレッチから
まずは準備体操として、足首からふくらはぎに効くストレッチを行いましょう。
【事前ストレッチ】
①床に座り、両脚は揃えて前に伸ばします。両手は体の後ろに置きます。
②息を吐きながら、足の爪先を前方に倒していきます。この時、足の甲を十分に伸ばすようにします。
③息を吸いながら、足の爪先を体のほうに持ち上げていきます。この時、足の裏を十分に伸ばすようにします。
これをおよそ10~15回行い、筋肉をある程度ほぐしておきましょう。また日中、イスに座った状態でも、気づいた時には脚を前方に伸ばし、足首を前後に動かしてストレッチすることをおすすめします。
ふくらはぎマッサージ方法
ではここからはふくらはぎマッサージ方法をご紹介します。
※基本的にマッサージをする時は、血流を心臓に戻すイメージで「心臓の方向に向かって」行いましょう。
【基本のふくらはぎマッサージ】
①最初に膝裏の「リンパ節」(リンパ管が集まる場所。「膝下リンパ節」と呼ぶ)をほぐします。両手の4本の指を膝裏のくぼみに当て、すべての指を同時に「グッと押して、緩める」を、5回程度繰り返します。
②脚の前側(スネ側)を、両手でつかみます。足首から膝に向かって(痛くない程度に)強めに数回さすり上げます。
③脚の前側(スネ側)の骨に沿って、骨の左右を両手の親指で、足首から膝に向かって押していきます。
④脚の裏側(ふくらはぎ側)を、両手でつかみます。足首から膝裏に向かって(痛くない程度に)強めに数回さすり上げます。
⑤ふくらはぎの中央辺りに両手の4本の指を当て、すべての指を同時に「グッと押して、緩める」を、足首から膝裏に向かって行います。
⑥アキレス腱周辺(足首)部分もリンパが滞りやすいため、指でつまんでもみほぐします。
⑦最後にもう一度、脚の裏側(ふくらはぎ側)を両手でつかみます。足首から膝裏に向かって(痛くない程度に)強めに数回さすり上げます。
以上は基本のふくらはぎをほぐすためのマッサージ方法。お風呂上りの血行がよくなっている時に行うのがおすすめです。
次に、日中イスに座っている時にでも簡単にできる、便利なふくらはぎマッサージ方法をご紹介します。
【簡単ふくらはぎマッサージ】
①イスに座った状態で、片方の脚のふくらはぎを、もう片方の脚の膝に乗せます。
②上に乗せたほうの脚を上下に動かして、ふくらはぎを中心に膝下を全体的にマッサージします。
③同様に、もう片方の脚もマッサージします。
※痛い部分がある場合は、そこが凝り固まっていると判断できます。痛い部分は意識的にほぐすようにしましょう。
この簡単ふくらはぎマッサージは、床に座って膝を立てた状態でも可能です。起床時や就寝前に、短時間でもできるため、毎日の習慣に取り入れやすいですよ!
ふくらはぎが健康のカギ!
ふくらはぎを触ってみて、「がちがちに硬い」または反対に「筋肉が感じられないほどフニャフニャ」の場合、心身ともに弊害がすでに出ているかもしれません!
「第2の心臓」とも言われるふくらはぎを効果的にマッサージすることで、血流・リンパの流れを滞りなく改善させて、心も体も生き生きとした毎日を送りましょう。