いくら注意していても、徐々に汚れが溜まっていったり、うっかり不注意で蓋を開けたまま長時間ボトルを開けっ放しにしていたりすることで、筆やボトルの一部がジェルで固まってしまうことがあります。
作業工程と使う道具の多いジェルネイルですから、一つ一つの道具や容器を丁寧に管理するのもなかなか大変なことですよね。
そこでここでは、ジェルネイルの筆やボトルが固まってしまう原因と対処法について説明します。
ジェルに含まれている主な成分
ジェルを構成する成分は、一般的に大きく分けて「ポリマー」「モノマー」「光重合開始剤」「フィラー」「その他添加剤」の5つです。
このうちジェルを光のエネルギーを使って硬化させるのが「光重合開始剤」で、この成分が配合されているためにジェルネイルはマニキュアのように空気だけでは乾燥しません。
ブラシやボトルが固まる理由
【ライトの近くに置いていた】
硬化用のペン型ライトを直接爪にライトを当てているつもりでも、その光線の先に筆やボトルがあったり、置き型ライトの近くに筆やボトルを置いてあったりすると、光線影響をうけて周辺に付着・保存しているジェルまで硬化してしまうことがあります。
【日の当たる場所に保管または放置していた】
太陽光にはUV(紫外線)が含まれているため、硬化用ライトにさらされているのと同じ状況になります。また、室内照明でもジェルが硬化する波長と重なる場合、硬化ライトを当てたのと同じ現象が起きるため、ジェルは硬化してしまいます。
そのため、ライトを当てずに保管しているつもりでも、知らず知らずのうちに日光や室内照明の影響を受けて、ブラシなどに付着しているジェルが固まってしまうのです。
【クリーナーが染み込んだ状態で保管、または経年劣化した】
クリーナーは筆やボトルからジェルを除去してくれますが、最後にしっかりと拭き取らなくてはいけません。付着したまま保管してしまうと、筆が固まってしまう原因にもなります。
また、あまり使っていなくても、何年も経つと揮発によってボトル内の成分が変わってしまう場合があります。これによって硬化につながる場合もあります。
ブラシやボトルのジェルが固まらないようにする方法
お気に入りの道具やカラージェルを長く使うためには、やはり道具の清掃や整備に時間を掛ける必要があります。その方法について見ていきましょう。
【保管場所】
ジェルには「光重合開始剤」が含まれており、光(特にUVを含む照明や太陽光)が当たる環境にあると硬化が始まります。
直接光に当てなくても、壁や床からの反射など、室内の環境によっては硬化してしまうことがあるため、道具の保存は暗くて涼しい場所を選びましょう。
【硬化が軽度の場合】
ジェルは水では洗い流せません。まずはキッチンペーパーやアルミホイルで、ブラシについたジェルを拭き取りましょう。
ただしコットンを使うのはNGです、細い繊維がブラシについたり、ボトルに入ってしまったりする可能性があるからです。その後、クリアジェルを付けてブラシになじませます。
最後に、余分なクリアジェルをアルミホイルかキッチンペーパーでしっかりと拭き取れば完了です。
最近はクリーナージェルという洗浄専用ジェルも販売されています。使い方は同じで、アルミホイルなどにクリーナージェルを溜めて、そこにブラシを付けてジェルを落とします。ある程度キレイになったらキッチンペーパーで拭き取ります。
【硬化が重度の場合】
うっかり、ブラシのケアを忘れてしまい、気づいたらカチカチになっていたなんてことも!
そんな時は、ブラシにクリーナーを染み込ませ、アルミホイルで包んで30分以上置いておきましょう。30分経過したらアルミホイルをはずしてキッチンペーパーで拭き取り、クリアジェルを馴染ませれば元に戻ります。
【元に戻らない場合】
固まりきってしまったブラシは、別の用途として使いましょう。たとえばラメ用のブラシにしてみたり、スパチュラの代わりにしたりするのもよいでしょう。
【ボトルごと固まってしまった場合】
寒さでボトルごと固まってしまった場合は、温めたりせず、直射日光のあたらない常温の部屋においてみてください。しばらくしてからかき混ぜると元に戻る場合があります。
なお、日光や室内照明などの光によって硬化してしまったジェルは、元に戻らないためご注意ください。
その他の注意点
・アセント配合のリムーバーにナイロンブラシに長く浸けておくとブラシが溶けてしまうため、絶対に行わないようにしましょう。
・作業中できるだけ紫外線を避けるために、ボトルの蓋はその都度閉じるようにしましょう。そして、ボトルのフチについてしまったジェルはこまめに拭き取りましょう。
使用中も使用後も適切に取り扱いましょう!
ジェルネイルは通常のマニキュア(ネイルポリッシュ)と異なり、日光や室内照明に含まれる光で硬化する特殊な成分で出来ているので、それに応じたケアが必要になります。
沢山買い揃えたジェルやブラシなどが無駄にならないように、使った道具はこまめにケアして大切に使いましょう。