頻繁に使う指先だからこそ、傷みやすく剥がれやすい・割れやすいのが爪。俗にいう「二枚爪」になってしまい、見た目が良くないはもちろんのこと、水仕事時に水がしみたり、少しの衝撃で強い痛みを感じたりなど、かなり症状が進行してしまっている方もいるのではないでしょうか?
もしも以前から何度も二枚爪を繰り返してしまうのなら、その原因と対処方法を知る必要がありますよね。これからは二枚爪にならないように、二枚爪の予防対策方法もご紹介します!
二枚爪ってなに?
二枚爪とは、正式名称「爪甲層状分裂症」と呼ばれる爪の疾患を指します。
あまり知られていませんが、爪は薄い3層がミルフィーユ状に重なって出来ています。一番上の層を「背爪(はいそう)」(トッププレート)、真ん中の層を「中爪(ちゅうそう)」(ミドルプレート)、一番下の層を「腹爪(ふくそう)」(アンダープレート)と呼び、上から「縦・横・縦」方向の筋が入っています。
そして二枚爪とは、この一番上の背爪がはがれ、中爪が表に見えている状態を指します。ちなみに三枚爪になると、背爪と中爪がはがれ、腹爪が表に出てしまっている状態を指します。
どうして縦、横、縦の順番の層が重なっているの?
もしも縦方向のみの層で爪が形成されていた場合、縦方向に伸びる力のみがかかり、縦に割れて(裂けて)しまいます。
そのため真ん中の層は横方向になっており、縦と横の力のバランスをうまく取っているのです。
二枚爪になる原因1:乾燥
ではどうして背爪がはがれてしまうのでしょうか。その原因のひとつに「乾燥」が挙げられます。
健康的な爪には、およそ10~15%の水分が含まれています。
しかし顔や身体の肌や髪の毛などと同じく、爪もまた内部の水分が不足すると乾燥し、もろく割れやすくなってしまうのです。
爪が乾燥する原因1:洗剤
爪が乾燥する主な原因としては、まず食器洗いや洗濯、シャンプーなどで水・お湯・洗剤に多く触れ、爪や指先を潤わす水分や油分が洗い流されてしまうことが考えられます。
爪が乾燥する原因2:ネイルリムーバー
ネイルリムーバー(除光液)にはマニキュアやジェルネイルだけでなく、地爪表面の油分・水分まで取り去ってしまうリスクがあります。
二枚爪になる原因2:外部からの衝撃
指先を使った作業が多い場合、その衝撃が蓄積されることで爪に負担がかかり、二枚爪になる可能性があります。
また爪切りによる衝撃によっても、二枚爪になることがあります。
二枚爪になる原因3:栄養素の欠乏
身体内部からの原因によって、二枚爪になることもあります。その原因のひとつが栄養素の欠乏(栄養不足)。
爪は「ケラチン」と呼ばれるタンパク質の一種を主成分として出来ています。そのため身体がタンパク質不足になると、爪まで十分に行き渡らなくなるため、爪がもろくなってしまうのです。
また鉄分不足も爪を弱らせる要因に。というのも、鉄分が不足すると貧血となり、血行不良にもなります。すると爪まで栄養素が血流に乗って行き渡らなくなるため、爪が弱ってしまうのです。
その他、ビタミンA、ビタミンB群(B1・B2・B6・B12、葉酸など)、ミネラル、亜鉛などの栄養素が不足しても、爪がもろくなり、二枚爪のみならず反り返ったりうねったりと変形してしまいます。
二枚爪になる原因4:ストレス
精神的なストレスにより、肌が荒れるのと同じように爪がもろくなり、二枚爪になる場合もあります。
二枚爪になる原因5:爪以外での病気
二枚爪は「爪の傷み」かと軽く考えていたら、別の部位での病気によって引き起こされていた、というケースも珍しくありません。
たとえば鉄欠乏性貧血やバセドウ病(甲状腺機能亢進症を起こす病気)によって、二枚爪など爪に異常が見られるようになります。
二枚爪を改善・予防する方法1:保湿
爪の乾燥が原因の場合、肌と同じく保湿ケアを徹底しましょう。ハンドクリームやネイルオイルを爪部分にまでしっかりと塗りこみましょう。
また時間がある時は、クリームやオイルを爪から手全体にまで塗りこんだ後、「各爪のサイドにあるツボ」と「爪母」(爪の根元部分。爪が生まれる場所)をもう片方の手の指で押してマッサージし、血行促進効果を狙って!
二枚爪予防だけでなく、冷え性やコリ、むくみなども改善し、ネイルの映える美しい手指になれますよ。
二枚爪を改善・予防する方法2:水分はすぐに拭く
手を洗った時や家事などをしている時、濡れた手を適当に拭ったままにしていることはないですか?
手に余分な水分が残っていると、その水分が蒸発する際に爪の水分まで蒸発してしまいます。これは手指の肌においても同じことが言えるため、二枚爪や手指の肌荒れ予防のためにも、手が濡れた後はきちんと水分を拭き取りましょう。
なお、外出先でハンドドライヤーを頻繁に使用すると、やはり爪や手指の肌の乾燥を誘発します。乾燥が気になる場合は使用を控え、ハンカチやタオルで拭くことをおすすめします。
二枚爪を改善・予防する方法3:ネイルの休止またはジェルネイルで一時硬化
ネイルリムーバーの使用によって爪が乾燥している場合、しばらくリムーバーを使わないためにネイルを休止することをおすすめします。
ただしあまりに二枚爪がひどい場合は、削らないタイプ(サンディングが不要)のジェルネイルで爪表面を硬化し、1か月ほど取らない方法もあります。ジェルネイルをオフする時も、無理にはがさないように気を付けましょう。
二枚爪を改善・予防する方法4:爪切りを爪ヤスリに代える
爪切りのパチンという衝撃で爪が痛み、二枚爪になっていることがあるため、爪ヤスリ(ファイル、またはエメリーボード)で形を整えるように削ることをおすすめします。
なお、爪切りやヤスリを使用する前は爪をぬるま湯に浸けて爪を柔らかくするか、入浴後の爪が柔らかくなっている状態で処理することをおすすめします。
二枚爪を改善・予防する方法5:食生活を見直す
栄養素が足りていない場合は、バランスのよい食事で補う必要があります。特にダイエットをしている場合は、単に食事量を減らすのではなく、タンパク質の多い食材はしっかりと摂り、不足しがちな栄養素はサプリメント等でプラスすることも心がけましょう。
爪は健康のバロメーター
どうしてすぐに二枚爪になってしまうのか、二枚爪の原因に心当たりはありましたでしょうか? 乾燥が原因の場合なら、ちょっとした保湿ケアやマッサージで爪の状態を改善させることは可能ですよ。
ただし「爪は健康のバロメーター」と言うように、何らかの疾患が原因で爪に異変が現れる場合もあります。そのためもしも爪の状態がいつまでも悪いようであれば、他に不調がないか確認してみることをおすすめします。