爪がすぐに割れる、二枚爪・三枚爪になる、巻き爪になりやすい、といった素爪に関するお悩みを長年お持ちの場合、普段の「爪の切り方」に原因があるのかもしれません。
意外と多くの方が間違っている爪の切り方を、今一度おさらいしてみませんか?
ここでは、大切な爪を健康的に育てるための基本となる、正しい爪の切り方をご説明します。
爪の構造
爪とは、タンパク質の一種である「ケラチン」で作られている皮膚の一部分です。爪は、よく使用する指先を保護し、さらには、物をつかむ際にうまく力が入るように支える役割があります。
また、爪は上から「背爪」「中間爪」「腹爪」と呼ばれる3層がミルフィーユ状に重なってできており、それぞれに「縦繊維」「横繊維」「縦繊維」になっています。
そのため、目視できる爪表面(背爪部分)は、ケラチン繊維が縦向きに走っていることから、縦筋・縦線ができやすいのです。
爪切りのデメリット面
では、このような3層構造の爪を爪切りで切ると、どのようになるのでしょうか。
通常の爪切りは、爪先にパチンと多大な負荷を与えます。その負荷によって、ミルフィーユ状の層が剥がれやすくなり、先端部分が欠けたり、2枚爪や3枚爪になったりする原因に!
そのため、爪を正しく切るには、爪切りは極力使用しないようにしましょう。
爪を切る時の道具とは
では、爪切りの代わりに何を使用すれば良いのでしょうか。おすすめは、「ネイルニッパー」と「ネイルファイル」です。
【ネイルニッパー】
ネイルニッパーとは、爪を切るためのハサミ状(ニッパー型)の道具です。類似のアイテムに「キューティクルニッパー」がありますが、こちらは「キューティクル(甘皮)」除去専用の道具のため、ネイルニッパーとは区別します。
※一般的に「爪切り」と呼ばれているアイテムは、「クリッパー型」のネイルニッパーです。
【ネイルファイル】
ネイルファイルとは、爪の長さを整えたり表面を削ったりする際に使用する爪ヤスリのこと。その中でも、爪の長さ・形を整えるために使用するネイルファイルは「エメリーボード」と呼びます。
エメリーボードを含め、ネイルファイルには「グリッド数」(単位:G)という、目の粗さを表す数字が表示されています。
グリッド数が大きいほど目が細かく、反対に小さいほど目が粗くなるため、爪が弱い方などは、グリッド数が大きい(目安として180~240G)ものを選ぶようにしましょう。
爪の正しい切り方
ではここからは、爪の正しい切り方を見ていきましょう。
【長さ】
爪の長さは基本的に「指の先端と爪先の一番高い部分が同じ、もしくは数ミリだけ爪先が出る」程度がおすすめです。
【形】
爪先を切り過ぎた「深爪」は、爪が持つ「細菌侵入を防ぐ」役割を阻害するため、避けるようにしましょう。
また、爪の両端を直線的に切り過ぎた「バイアスカット」では、爪の両端が指にくい込む巻き爪を誘発し、また、爪の強度も落ちてしまうため、深爪と同じく避けるようにしてください。
おすすめの切り方は、「スクエアカット」。スクエアカットとは、爪の両端の角をゆるくカーブを描くようにカットした切り方です。
爪の両端が指にくい込まないように、カーブをつける部分が「指よりも上」の位置にくるようにしてください。
【切り方】
①ネイルニッパーを使い、爪の先端部分をほぼ直線に切ります。
②エメリーボードを使い、形を整えていきます。
※エメリーボードは必ず「一方向」に動かすようにしましょう。「往復」に動かすと、爪の断面が傷んでしまいます。
③全ての指の爪を整えたらネイルオイルやハンドクリームで、爪周りをマッサージしながら保湿しましょう。
正しい爪の切り方と保湿ケアで美しい素爪を!
「たかが爪切り」と安易に捉えていると、爪・指のトラブルにまで発展してしまうかもしれません。
爪の切り方にまでこだわってこそ、いつまでも健康的で美しくいられる秘訣です。ジェルネイルを楽しむためにも、素爪をいつでもベストな状態にしておくように、正しい爪の切り方と保湿ケアを行ってくださいね。