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グリーンネイル(自爪が緑色)の原因と対処法|リフトしたジェルネイルで菌が繁殖する!?


サロンやセルフなどでジェルネイルを施術したことのある方なら一度は聞いたことのある「グリーンネイル」

グリーンネイルとは、簡単に言えば「菌が繁殖した爪」のこと。菌によって自爪が緑色に変色してしまった状態を、「グリーンネイル」(緑色爪)と呼びます。

ファイルで爪を削るイメージ

※グリーンネイルはよく「カビが繁殖した爪」と言われますが、厳密には菌とカビは生物学的に異なります。

「私はグリーンネイルなんてなったことないから関係ない」と安心しているジェルネイル愛好者さん――恐ろしいことに、実はまだ症状が現れていないがこれからなる可能性が高い「グリーンネイル予備軍」が、ジェルネイルをしている方の約6割もいる、と言われているのです!

そこでグリーンネイルの懸念がすでにある方はもちろんのこと、ジェルネイルやスカルプ施術をしている「グリーンネイル予備軍」、またこれからジェルネイルなどを楽しみたいと思われている方まで参考にして頂きたい、グリーンネイルの原因と対策についてまとめました。

グリーンネイルってなに?

冒頭でご説明したように、グリーンネイルとは自爪が、菌によって緑色になってしまう症状です。

初期症状は爪の一部分が薄いグリーン色になっている程度ですが、対処せずにそのままにしておくと悪化して、グリーン色がどんどんと濃くなり、範囲も広がっていきます。

グリーンネイルを引き起こす菌の正体は、その名も「緑膿菌」(りょくのうきん)。広範囲に存在する一般的な常在菌のひとつで、洗面台や洗浄器などの温潤な環境(高温多湿)で頻繁に検出される菌です。

健康な状態(健常者)では問題は起きない菌ながら、抵抗力が弱っている場合などは感染力があるため、よく病院内での院内感染の原因菌などとして挙げられます。

ちなみになぜ緑色になるかというと、緑膿菌が「ピオシアニン」「ピオベルジン」といった緑色や黄緑色の色素を産生するためです。

温潤な環境がグリーンネイルを招く!?

ではなぜこのような緑膿菌が、爪に繁殖してしまうのでしょうか? それはグリーンネイルが、ジェルネイルやスカルプを取った時に気づくことが多いことからも推測できます。

まず先述したように、緑膿菌は「温潤な環境」で繁殖する菌です。「温潤」とは温かく湿っている(潤っている)状態、という意味です。

たとえば、ジェルネイルやスカルプネイルが自爪から浮いている(リフトしている)状態で、(施術しなおさずに)しばらくそのまま放置していることはありませんか?

その浮いた状態では、当然ながら自爪とジェルネイルなどのあいだに(手洗いや入浴後など)水が溜まり乾ききらずに湿った状態が続きます。そして体温によって温かさもあります。

この「湿って温かい」環境こそ、緑膿菌が好んで繁殖する条件のそろった場所です。そのため浮いたジェルネイル・スカルプネイルを取ると、下から緑色の自爪が出てきてビックリする! ということが起こるという訳です。

※この場合、緑膿菌が繁殖している部位は「爪の上」(=爪とジェルネイルの間)です。

甘皮処理にも要注意

さらには、爪がすでに弱っている、傷ついている場合には、通常の健康な爪の時よりも緑膿菌が繁殖しやすくなります。

甘皮処理をするイメージ

よく言われるのが、過剰な甘皮処理や深爪によって菌が入りやすくなっていたり、細かな傷がついていたりしている爪にジェルネイルを施術すると、グリーンネイルになりやすいとのこと。

自爪の健康状態に不安がある場合は、ジェルネイルやスカルプネイルはもちろんのこと、マニキュアを塗るのもやめて自爪や指先を休ませましょう。

※この場合、緑膿菌が繁殖している部位は「爪の下」(=爪と皮膚の間)です。

手汗をかきやすいと繁殖しやすい!?

緑膿菌が「湿って温かい」環境を好むことから、手汗をかきやすい体質の人がジェルネイルを施術すると、ジェルネイルを硬化させている最中に汗をかいて湿った環境を作ってしまいやすくなります。

そのためセルフでジェルネイルを施術する際は、事前にエタノール溶液などで爪表面の水分・油分・汚れをふき取るようにしましょう。

グリーンネイルの可能性がある場合の対処法

基本的にグリーンネイルに痛みはないため、気づくのが遅くなってしまうことが多くあります。

そのためジェルやスカルプが浮いてしまったら、すぐにサロンに行くかセルフでオフし、グリーンネイルのリスクを避けることをおすすめします。

またもしもジェルネイルなどを施している最中に、爪になんらかの違和感を覚えるようであれば、即ネイルをオフして爪の状態を確認するようにしましょう。

※セルフでオフする際は、正しい方法で取ってください。慌てて無理にはがすと、さらに自爪を傷めてしまうことになります。

さらに、オフ後は丁寧に手を洗って清潔にした後で爪を乾かし、しばらくの期間、素爪の状態で過ごすようにしましょう。その間も手が濡れた後はしっかりと乾かし、湿った状態をできる限り避けるようにしてください。

グリーンネイルになった場合の対処法

すでに緑膿菌に感染してグリーンネイルになってしまった場合、自力で自然に治すことはできません。必ず皮膚科を受診しましょう。

まずはジェルネイルやスカルプネイルを外して、素爪の状態で病院で診てもらいましょう。多くの場合、塗り薬の外用薬を処方されます。

完全に緑色の部分が伸びてなくなるまでは、ジェルネイルからマニキュアまで塗布せず、爪を休ませるようにしてください。

なお、緑膿菌だけが原因ではなく、真菌(カビ)の感染で起きる爪白癬(=爪水虫)、爪カンジダ症などになっている場合にもグリーンネイルになるため、その根本的な原因によって処置の優先順位や薬の処方が変わってきます。

※軽度の場合はファイルでグリーンネイル部分を削ることもできますが、自己判断で行い悪化することもあるため、軽度でもできる限り早く皮膚科受診をおすすめします。

ネイルをずっと楽しむために

グリーンネイルは通常(健康な場合)、他の爪や他者に移ることがありません。ですが少しでも爪に異変を感じたら、「そのうち治るはず」と高を括らずに、すぐに自爪の健康状態をチェックする習慣をつけましょう!

きれいな素爪イメージ

自分らしいネイルのオシャレをいつまでも楽しむために、ジェルやスカルプを施した後もリフトに注意するなど、正しく清潔なコンディションでいることを心掛けてくださいね。